「プリズナーNo.6」関係と海外ドラマ、海外小説を中心にしていきたいと思います。園芸、イギリス旅行、猫は今後はyahooプログに移動する予定です。


by mygarden_uptodate

白薔薇の女王(上) (下)

(MF文庫ダ・ヴィンチ)
著者: フィリッパ・グレゴリー
ISBN: 4840138885
ISBN: 4840138893

思い切りネタバレありなのでご注意、というのは余計か。歴史ものにネタバレという感覚自体ないですね。まず。

最初に、いろんな意味で表紙がいけない。これでは誰も薔薇戦争の本だとは思うまい。 どこから見ても安っぽいナントカカントカ・ロマンスみたいである。事実、そうなのだが。 ロンドンの国会議事堂(時代錯誤もここまで来ると芸術品)、交差した剣(この時代にまだないだろ、この剣は)、紅白の薔薇(どこから見てもハイブリッド・ティ、何もいうことなし)。
何気なく図書館で手に取り、説明を読んで驚いた。なんと、エリザベス・ウッドヴィルの一人称小説ではないか。ヨーク王朝の若き貴公子を籠絡したと子連れの年増、単なる騎士階級の後家から王妃にのぼりつめた平凡な女、というありきたりの印象を打ち砕く物語だ。 つまり、ナントカカントカ・ロマンスである。この本は。眼と眼があったその瞬間恋に落ちたふたり、ですか。はあ、結構なことですな。しかし、それだけに終わらない。このエリザベスはとんでもない女であった。この宿命の恋を実らせるためには、手段を選ばない。そしてひとたび王妃の座を手にしたら、次にはありとあらゆる手段で一族の栄達を図る。そのなりふり構わぬさまは、一族以外のすべてを敵に回すのは当然だ。 身分低い騎士の後家との印象が強かったエリザベス、この話によると、母方はフランスの高貴な血を引いており、先祖は水の妖魔メリジェーヌだという。その為、水にまつわる魔術を使いこなすのだと。つまりは魔女。

とんでもない話ではあるが、いくつか注目すべき点は。 王弟リチャードが初め好意的に描かれている。後半、敵になってからは徹底的にヒロインに憎まれ、呪いをかけられるのだが、最終的に和解する。しかも、娘エリザベスはリチャードを恋焦がれているのだ。 王子リチャードの運命。ロンドン塔で消えたのは替え玉で、本物のリチャードはフランスに隠されて、パーキン・ウォーベックの名を名乗っている。言うまでもなく、後日、これは王位請求の反乱をおこして処刑された人物だ。 興味深いのは、物語の終盤、主人公はリチャードの勝利を祈っているところで幕を閉じる。史実では、この戦いでリチャードは戦死、娘エリザベスはヘンリーの花嫁になるのだが。 どうも、この後、娘エリザベスが主役の話へとすぐに続きそうな様子である。
続きを期待して良いのか? この作者なら何をやらかすかわからんなー。
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by mygarden_uptodate | 2012-07-12 14:43 | 海外小説